管弦楽のかけら
文章: dotimpact
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■仕事が終わってから東横線でみなとみらいは馬車道まで足を伸ばして、「
Live Fantasista PIRAMI meets 喪服の裾をからげ」というイベントを見てきた。いやあ、変だった。満足。
とその前に。今横浜にあるギャラリー(というか、イベントスペースかな?)
BankART Studio NYKで
Electric Fantasistaというメディアアート、テクノロジーアートの展覧会をやっていて、「Live Fantasista〜」はそのなかの1イベントだった。展示のほうにもミスをするとプレイヤーに熱や電気ショックで身体的なペナルティを与えるという危険なゲーム機「
PainStation」(
//////////fur////)やら、椅子のマイクに向かって喋った言葉が、機械翻訳と合成音声と音声認識のリレーを経て不思議な伝言ゲームになっていくという作品「MisLeading MisReading」(
United Bows)やら、おもしろいものがたくさんあったんだけど、イベント準備でちゃんと体験できなかったのが残念。
で、イベントのほう。ライブストリーミングで商品の購入を呼びかけて、クレジットカード決済で購入するとライブで注文を受けつけるんだけど、べつに商品を発送してくれるわけではなく、それだけ。という、なんというか、なんともいえない、ライブというかパフォーマンスを行っている「
喪服の裾をからげ」というサイトがあって、今回はその「喪服〜」ライブの特別バージョンとして
PIRAMIさんという作曲家とその楽団が、ストリーミング視聴者からの注文に合わせて即興で作曲、演奏を行うという「即興音楽のオンライン販売」の、公開ライブというものだった。ちなみに、そのお金を払って購入された曲が演奏されるときはストリーミングの音声は止められてしまい、買った人は自分の曲を聴くことができない。それは最初から決まっていることなので詐欺ではなく、にもかかわらず何人かの購入者が現れ、その購入者に捧げられた音楽が、当人のいない場所で作曲され、当人は聴けないまま演奏されていった。
いっぽう会場の観客としては、オンラインで誰かが購入してくれないと音楽が演奏されないコンサートなわけで、そこに来てるほうもどうかと思うけど、んーでも、なんか楽しかった。不思議で。たまに注文が入ると演者はもちろん観客にも(!)安堵がひろがって拍手が起こり、金額によって演奏時間が決まっているらしくほとんどが1分未満のかわいらしい管弦楽のかけらがふわりと演奏されるのだった。なんというか、いまどきここまでぜいたくに大真面目にハプニングをやる、というのもなかなかないのではないだろうか。しかもなんだか、ほのぼのしてよかったな。
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