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2005年の夏休み

文章: dotimpact
カテゴリ: [/joy]

■夏はもうずいぶん前に終わってしまった気がしていましたが、8月はまだ終わっていなかったんですな。

まあいまさらではあるのですが、この夏に行ったところのことなどをまとめて書いておこうかなと。

※写真は万博で買ったモリゾーテンガロンハット

日本国際博覧会(と豊田市美術館)に行ってきた

■7月の終わりにいわゆる「愛γ地球博」を見に行ってきました、というか、行く人がいたのでそれに便乗させてもらったというか。そんな感じなんでトヨタ館や日立館を見るでもなく(日本館とかめざめの方舟とかはいちおう見ましたが)、といって端から端まで見るでもなく、ゆるーい遠足といったかんじでしたがまあでっかいテーマパークで朝から晩まで遊んだなあという満足はあったかな、万博だったかはともかく。

細かいパビリオンの話などははてなダイアリーのほうに書いてみました。おすすめはチェコ館とイエメン館かな。キャラが出ているという意味で。

■翌日の帰りに豊田市美術館にも寄ったんですが、こちらも万博がらみでスペインパビリオン主催の「ネイチャー&アート ガウディ ミロ ダリ」という企画展をやってて、これが万博会場とはうってかわったひんやりとした展示になっていて、とてもよかった(ボリュームはちょっと少ない気もしましたが)。会場に入るとまず暗い大きなプロジェクター室に通されて、今回の企画のコンセプトである3人の作家を育てた地中海の風景と自然を紹介する映像(ナレーションも字幕もいっさいなし。音も現場の自然音のみ)をしずかに見せる、というイントロダクションには感心しました(リピートしている映像がいったん終わるたびに、部屋の出口にゆっくりと照明が灯り、順路をナビゲートする仕掛けもよかった)。作品展示も長い展示室を透明なカーテンで縦に3分割して3人の作品を並列に並べていて、とてもおもしろかった。


同時に展示しているヤノベケンジ「キンダガルデン」も見ました。ジャイアントトラやんは、(作品としてはぜんぜん違うんだけど)どうも実物大スコープドッグと比較しちゃったなあ。巨大ロボには重量感を求めてしまうというか。もともとヤノベ氏は中日新聞(だったかな)から愛知万博への提供作品を打診されて、20世紀の非エコの機械部品からなる動くロボマンモスをつくり、それをヘリで吊って北極に空輸して永久凍土に埋めるというウルトラなプランを提出して(当然)ぽしゃったらしいんですが(それをヤノベ氏が語るビデオが展示で上映されていました)、どーせならそれを見たかった気も(ムリだけど)。

佐藤雅彦研究室展に行ってきた

■銀座グラフィックギャラリーに「佐藤雅彦研究室展 設問とその回答」を見に行きました。映像の展示が多いので、さらっと見ても1時間以上かかってしまい、そのあとの打ち合わせに遅れちゃったりしましたが…。

すでに発表されてたりほかの記事や講演で見てた作品や映像も多かったのですが、基本的にはいつもどおり面白かったです。ただしかしうーん、あまりに「課題とその解答」すぎるのかな、とも思いました。

「定理や原理をわかりやすく説明する表現」そのものは僕も大好きだから会場に展示してあるどれもこれも見る分には面白いし気持ちよかったんだけども、どうも、「それを見て別のことを考える」ということがしにくかったというか。ちょっと説明しにくいんですが、トップダウンにあらかじめ決まった(つまり「設問」された)世界から踏み出すようなものがあまり感じられなかったということかな。まあ単純に、もうそれ知ってるよ、という感覚なのかもしれませんけどね。

会場で見たもののなかでは、佐藤研の学生作品として上映されてた「反復かつ連続」(だっけ?)というのは、これはもうちょっと奥行きあるかもーと思えた作品でした(これ自体は以前佐藤雅彦さんと佐藤卓さんのgggのトークショーで見たことがあったんですが、今回見直してやっぱり面白かった)。

ア ヤ   ズ「バ  ング  ント展」に行ってきた

■六本木ヒルズを裏に回って人通りもまばらなあたり、唐突にあるオフィスビルの、さらに地下に、おそらくもともとはビルの地下駐車場だったスペースをリフォームして作られたとおぼしき、そのギャラリーはありました。P-HOUSEというギャラリーの名前は、90年代にわたってメディアをにぎわしていたいわゆる伝説のあれですから僕も知識としては知っていましたが、行くのは今回が初めてです。というか、作家さんも伝説のあのかたですね。90年代は東京にいなかった僕にはやっぱり作品を見るのは初めてでした。


内容についてはいまさらな感じが激しくするので大幅に省略しますが、会場の作品を見てる間終始落ち着かなかったのは記しておきましょう。落ち着かなかったなー。人が箱に入ってると思うとぜんぜん落ち着かなかった(ノックもできませんでしたね。告白すると)。落ち着かないのでドリンクも思わずノンアルコールのにしてしまいました。ちなみに僕が見に行ったときはア ヤ氏が国際電話の応対をするというようなイベント(?)があったらしくそのリハーサルをするので「今はほかの音の出る作品に触れないようにしてください」と言われていて、しょうがないのでそのリハーサルの模様を見てたんですが、電話線を長くひっぱって作品まで届かせて、スタッフの方が白い箱に受話器をくっつけてる様子にはかなり吉田戦車的なキュートがありました。ノックしかしてなかったんだけどね。

「リビングワールドの仕事展」に行ってきた

■8月も下旬に入った21日の日曜日、栃木県の益子まで足を伸ばしました。具体的には3〜4時間ほど足を伸ばしたのですが、思ってたほど遠いという印象はなかったですね。知らない街のローカル線はそれだけでけっこう楽しいです。益子には学校かんけいでお世話になったりしてるbouさんが住んでるので現地では車で案内してもらいました。感謝感謝。

リビングワールドは西村佳哲さん西村たりほさんのデザインオフィスで、おもに博物館展示、展覧会のプランニングやワークショップなどのプロジェクトを企画運営されているそうですが、今回の展示はそれらの活動のなかで生まれた考えやプロダクトをスターネットというギャラリー(? なのかな? いろんなことをするフリースペースという感じでしょうか)のためにまとめた、といったものだったようです。どれもおもしろいというか、なにげないのに思わずじっと見てしまうような細やかさがあって、気に入りました。
窓をひらいた瞬間、外の空気や音、あるいは光が
部屋の中に流れ込んでくる。
その感じにまさるものは、なかなか無いと思うのですが、
それに近づいてみたいと考えながら、この展覧会を準備しました。
というコメントが会場にあって、この文章の風通しのよさがそのまま作品になっているように思いましたよ。

■そのあとカフェで陽が落ちるのを待ってから、風灯(風が吹くと風鈴が鳴るようにほのかな光がまたたく、という作品)を見にまた会場に。どうやら僕が行った日はよく風が通ったようで、見に来たかいがありました。

ところでこの作品のことは前から知ってたんですが、聞きかじって見ないうちはそれってどうなのーと思ってたんですな。風鈴という「風を聴くことができる作品」としてシンプルに完成しているものを、電子制御で複雑にして「音のかわりに光が出ます」というのはどうかな、しかも光って音より効果が弱いきがする…というぐあいに。

でも実際に見てみたら風灯は風鈴とはぜんぜん別のことが実現されてるみたいでしたね。音は見てなくても聞こえるけど、光は見てないと見えないんですよ。あたりまえだけど。つまり風鈴は風がなくて鳴ってなければそれは無いものとしてじっと見ることもないわけだけど、風灯の光を見るには高く吊られたそれを見ながら風を待つことになるわけで、スターネットに集まったひとびとがみんなして頭を上に向けながら、「風が吹かないかな」とだまって地球の気まぐれに気を揉んでいる、という模様はなかなか趣がありました。ユーモラスというかね。ちなみに風灯はガラスのカップに太陽電池やランプやセンサーを仕込んでそれを蝋で鋳込むという手作り感のある面白い加工がしてあって、それもよかった。

東京ジオサイトプロジェクト4に行ってきた


■とどめとして、地下にもぐってきました。といっても、11時に着いた時点で最後尾の「2時間待ち」という看板の「2」が横線で消されて「3」に書き換えられており、それを待ったわけです。トヨタ館や日立館の未来パビリオンには並ばないくせに地下の穴ぼこを通るのに3時間も並ぶというのはどうしたもんでしょうか。

ようやく受付までたどり着いて、ヘルメットと軍手を装備し、いざ地下へ! と思ったら入り口が工事現場の移動トイレぐらいな感じでさっそく意外でした。いやでも、パイロンで区切っただけの日比谷の道路のど真ん中に5メーター径の横穴が1.5kmつづく地下への入り口が飄々とあるという感じがよかったなあ。地下にとって入り口とはさほど重要なものではないのでしょう。

ジオサイトプロジェクトは前回も(やっぱり3時間並んで)参加したんですが、立抗を降りてシールドマシンを見る、というものだった前回とは違って今回はそのシールドマシンが掘った直径5メートル長さが1.5キロメートルほどのトンネルを自由に歩けるようになってました。トンネルには平らな足場がつくってあってそこを通るようになっていて、寸分の狂いもなく鉄骨やコンクリートのブロック(セグメント)が組み込まれた無機質な空間がとにかく非常にかっこよい。昼前から3時間も並んでなのでけっこうおなかも空いていたんですが、ぱしゃぱしゃ写真を撮りながらずんずん歩いてしまいました。ただしかし、無機質すぎて味わいにかける嫌いはあったかなあ。工事が完了して実際に使われ始めてからまたもぐってみたいものです。



■ちなみに豊田市美術館のかえりに寄った豊橋のゲーセンにあったV.S.スーパーマリオの筐体からコントローラが生えてた。この唐突さはどっかで見たような…
at 2005-08-31 22:40 / permalink
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