個展 「リアル・タイム・マシーン」(2005) | self exhibition "real-time-machine"(2005)
dotimpact 田中孝太郎[リアル・タイム・マシーン]展
期間:2005年7月4日[月]〜7月9日[土]
会場:表参道画廊+MUSEE F
イベント:オープニングパーティ(2005-07-04)
「リアル・タイム・マシーン・ライブ!」(2005-07-09)
来場数:160人〜(推定200人)
作品概要
■「リアルタイム」とはコンピュータが生み出した言葉と言っていいでしょう。すべてがあるがままの現実世界と私たちとの間にコンピュータが介在するとき、そこでなにかが起きるタイミングが「リアル」であるかが問われはじめます。コンピュータとネットワークに日常的に触れることになった私たちは、この「リアルタイム」の感覚に、すでに現実以上のリアリティを感じているのではないでしょうか。現実にはモニターが画面を描き換える1/60秒の瞬間には光は5000kmしか進めず、コンピュータの処理速度やネットワークの速度がどれだけ上がったとしてもそこには必ず遅延が存在します。しかし、すでに「リアルタイム」の世界に生きている私たちにとって、その「現実」の遅延は、むしろ現実感を後退させるものになるでしょう。まるで、ふいに時間を飛び越えてしまったかのような。
■「リアル・タイム・マシーン」展では、操作が遅延するコンピュータゲームを実際にプレイし、「遅れた現実」を体験できる作品を展示します。すでに「リアルタイム」の感覚に慣れている私たちにとって、そこには想像以上に違和感があるはずで、その違和感によって私たち現実感の輪郭をたしかめることができるかもしれません。
展示作品
「リアル・タイム・マシーン・フォー・アーケード」
Real-Time-Machine for Arcade (2005)
■ 一人のプレイヤーが同時に2つのゲームをプレイできるアーケードコンソール型の作品。2つのゲーム基板はそれぞれ別々のタイミングで動作しているため、プレイヤーのジョイスティックやボタンの操作が同時に入力されていても、そのゲーム展開は微妙にずれを生じていき、やがてはまったく別々の展開となり、最終的には破綻するでしょう。
展示では「XEVIOUS」(namco, 1983年)を実際にプレイできます。
「リアル・タイムーマシーン・フォー・テレビゲーム」
Real-Time-Machine for Home Videogame (2005)
■6台のテレビゲームに、一人のプレイヤーの操作が少しづつ遅れてプレイされていく作品。プレイするゲームがすでによく知っているゲームであればあるほど、そこにある「遅延」は不気味なものに感じられるはずです。
展示では「スーパーマリオブラザーズ」(任天堂, 1985年)を実際にプレイできます。
PONG-ED
PONG-ED(2005)
■世界最初の商用アーケードゲーム「PONG(ポン)」をネットワークごしにプレイできる作品。すぐとなりのギャラリーの相手と対戦できますが、その間でサーバを介してネットワークで通信を行っているため、2人のプレイヤーの間を行きかうボールの遅延が、そのままネットワークの遅延を表します。
イベント
「リアル・タイム・マシーン・ライブ!」
- ゲーマーを招いての「リアル・タイム・マシーン・フォー・アーケード」デモプレイ
- 「リアル・タイムーマシーン・フォー・テレビゲーム」での遅延対戦プレイ大会
関連リンク